今日は、仮想通貨市場にとって注目すべき1日でした。
というのも、日本時間の21時30分に、アメリカの「消費者物価指数(CPI)」の発表が控えていたからです。CPIとは、インフレ(物価上昇)の度合いを示す指標で、金融政策に大きな影響を与える超重要な経済指標のひとつです。
この発表を前にして、仮想通貨市場は様子見ムード。ボラティリティ(価格の変動幅)は一時的に低下し、投資家たちは次の一手を決めかねているように見えました。
■ トランプの関税発言が市場に影を落とす
加えて、もう一つ注目を集めていたのがトランプ前大統領による関税発言です。
彼は、もし次の大統領選に勝利したら「中国製品に対する関税を大幅に引き上げる」といった強硬姿勢を改めて示しました。これによって、インフレ再燃の懸念が強まり、金融市場全体に緊張感が広がりました。
特に仮想通貨は、金利や物価といったマクロ経済要因の影響を受けやすい資産です。市場参加者の中には、「インフレが加速すれば、利下げは遠のくのでは?」という不安から、リスク資産(=株式や仮想通貨など)を手放す動きも見られ、CPI発表前にはやや下落基調となっていました。
■ チャートでは「三角持ち合い」発生
テクニカル的には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のチャートが興味深い形を作っていました。価格が高値を切り下げながらも、安値を切り上げている状態が続いており、典型的な「三角持ち合い(さんかくもちあい)」の形を形成していたのです。
☑️ 三角持ち合いとは?
三角持ち合いとは、価格の高値と安値の幅が徐々に狭まり、チャート上に三角形のような形を描く状態のこと。投資家たちの買いと売りの力が拮抗しているサインで、「どちらかに大きく動く前兆」とされます。
今日の相場では、まさにその三角持ち合いの中で、投資家たちが「上か、下か?」と固唾を飲んで見守っているような状況でした。
■ 運命の21:30、CPI発表!
そして迎えた21時30分。
アメリカ労働統計局から発表されたCPIの結果は、予想より低いものでした。市場予想では前年比+3.2%とされていましたが、実際には+3.0%という結果に。
コアCPI(変動の大きい食品・エネルギーを除いたもの)も、予想をわずかに下回りました。
これはつまり、皆は物価上昇を懸念していたけど、それほどでもなかった!という意味を持ちます。
市場はこれに反応。覚悟していたほどリスクオフしなくてよかった!という見方から、
ビットコインやイーサリアムなどのリスク資産に買いが集まりました。
チャート上では、三角持ち合いの上辺(レジスタンスライン)を明確に上抜ける強い上昇が発生。直後の15分間で数%ほどの急騰となり、「待ってました」とばかりに市場が一気に活気づいたのです。
↓本日のチャート(ETH)

オレンジの線が三角持ち合いの部分です。
21:30に向けて変動幅が小さくなっていくのがわかりますね!
世界中の投資家たちが様子見をするくらい、CPI発表は超重要なイベントなのです。
■ 上昇トレンドは続くか?それとも一時的?
もちろん、CPIの発表だけで全てが決まるわけではありません。今後のFRB(米連邦準備制度理事会)の政策スタンスや、地政学的リスク、そしてトランプ氏の発言など、変動要因は多岐にわたります。
しかし、少なくとも今日の動きは「今の市場が何に注目しているか」を如実に示していました。
それは、インフレと利下げ期待のバランスです。
仮想通貨市場は、株式市場以上にそのセンチメント(心理)に敏感です。「利下げが近づいてきた」と感じれば、ビットコインやアルトコインに資金が戻りやすくなる。その反対に、「インフレが止まらない」と見れば、一気にリスクオフになる。
まさに今日の1日は、その両極を短時間で体現したような展開でした。
📌今日の学びと振り返り
- CPI発表前は、トランプ発言の影響でインフレ懸念が台頭し、市場は下落基調
- チャートは典型的な三角持ち合いを形成していた
- CPI発表後、予想よりインフレが弱かったため、仮想通貨は急反発
- 短期的なセンチメントの変化に敏感に反応する市場だった
↓↓おすすめ教材
↓しょーてぃさんYoutube
無料部分でもかなり学べることが多いのでおすすめです!
↓X(旧Twitter)アカウント↓
コメント